Bainance(バイナンス)のデュアル投資(Dual investment)はどうなると損失が出るのか?

Bainance(バイナンス)のデュアル投資(Dual investment)商品のリスク理解

Binanceから提供されているデュアル投資(Dual investment)は、元本割れ(元本が償還されない)リスクがあるハイリスク投資商品として紹介されています。

ここでは、どのシナリオの場合、元本割れのリスクが発生するかを紹介します。

デュアル投資(Dual investment)についてはこちらの記事を参照ください

リスク発生のケース

デュアル投資(Dual investment)には、アップ・アンド・エクササイズ(Up-and-Exercised)とダウン・アンド・エクササイズ(Down-and-Exercised )という2種類のタイプがあり、それぞれのタイプごとにBTCやETH、USDT、BNBなどのステーブルコインを活用して、商品を購入します。

結論としては、いずれのタイプにしてもストライク価格を超えて、別通貨での仮想通貨が返金された場合に元本割れリスクが発生します。

アップ・アンド・エクササイズ(Up-and-Exercised)の場合はストライク価格を超えた場合、ダウン・アンド・エクササイズ(Down-and-Exercised )の場合はストライク価格を下回った場合に、別通貨での仮想通貨が返金されます。

例を見てみましょう。

アップ・アンド・エクササイズの場合

今日の日付:1月1日
償還日:1月15日
通貨:BTC
変換通貨:JPY(日本円)
現在のBTC価格:300万円 = 1 BTC
ストライク価格:320万円
APY(年間利回り):30%
投資額:1BTC

*本来JPY(日本円)はありませんが、わかりやすくするためにJPYを変換通貨とします。

この条件で開始した場合、二つのシナリオが考えられます。

1. 1BTCが310万円となりストライク価格を超えなかったシナリオ
この場合は、1BTCとAPYの利息があなたの手元に戻ります。これはつまりリスクがなく、元本がそのまま戻り、プラス利息も手に入ったことになります。

2. 1BTCが330万円となりストライク価格を超えたシナリオ
問題なのがこのシナリオです。こちらで元本割れリスクがあることはわかりましたが、具体的にはどれぐらい損失が出るのでしょうか。
このシナリオでは、あなたの1BTCはJPYに変換されて手元に戻ります。またAPY(年間利回り)をもとにした利息も戻ります。

問題はこの変換のレートが、ストライク価格であることです。

つまり、この2のシナリオになった場合、あなたが受け取る金額は3,200,000JPY(320万円)とAPY(年間利回り)をもとにした利息です。

1BTCが330万円であるため、もしこのデュアル投資を行わずそのまま1BTCを保有していた場合は330万円の資産を保有できていたのに対し、この2のシナリオで320万円+利息で、利息はそこまで大きな額にはならないため、ざっくりと10万円の損が出ていることがわかります。

これがデュアル投資におけるリスクです。

さらに、この2のシナリオについて、1BTCが400万円になった場合はどうでしょうか。

そのまま保有していた場合の資産400万円ーストライク価格320万円=80万円の損が出ています。

デュアル投資の損失は、ストライク価格を超えて以降は、その差分が大きくなればなるほど損失が出ます。

ダウン・アンド・エクササイズの場合も同様です。

今日の日付:1月1日
償還日:1月15日
通貨:JPY(日本円)
変換通貨:BTC
現在のBTC価格:300万円 = 1 BTC
ストライク価格:280万円
APY(年間利回り):30%
投資額:300万円

この場合はステーブルコイン(ここでは仮にJPY)を使ってデュアル投資を行い、ストライク価格を超えた場合に、変換通貨(この例ではBTC)に変換されます。

シナリオ1は、1BTCが280万円ストライク価格を下回らなかった場合です。

その場合は、300万円がそのままJPYで戻ってき、かつAPY(年間利回り)による利息を得ることになります。

シナリオ2は、仮に1BTCが270万円となったとしましょう。
その際、300万円を使い、ストライク価格のレートである280万円=1BTCで、BTCを購入できるだけ購入することになります。

(3,000,000 JPY / 2,800,000 JPY ) * 1 BTC = 1.07142857143 BTC

つまり、1.07142857143 BTCと、APY(年間利回り)による利息が戻ってきます。

1.07142857143 BTCは、1BTCが270万円となったシナリオ2では、円に戻すと2,892,857JPY、約289万円となります。

もともと300万円を持っていたため、10万円以上損失が出たことがわかります。

ダウン・アンド・エクササイズの場合でも、この価格差が大きくなるほど損失は大きくなります。

ただし、BTCは長期的には価格が上昇していく可能性もあるため、一定の金額までBTC価格が下落したら購入するためにデュアル投資を活用する方法は検討できるでしょう。

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